精神性を高める手段


それから本当に色々な本を読み漁りました。実存哲学の本を何冊も読みました。

キルケゴール、ヤスパース、サルトルの本などを解った様な気になって読んで

いました。でもその実、本当は全然解っていなかったのです。次に宗教の本を

読みました。その中で、自分には仏教の本が一番しっくりきました。キリスト教

は、何となく偽善ぽくて馴染みませんでした。お釈迦さまや日本の空海や道元、

親鸞などの本読みました。空海の天才ぶりや大胆な行動に大いに感心しました。

それと、その当時にはアメリカのヒッピー文化の影響があり、スピリチュアル

な本も出回っていて、そういった本も読んでいました。

そのような本を漁っている時に、少し考えが変わってきました。というのは、幾ら

頭の中に「在るべき思想や考え」を詰め込んでも、人格や精神性が向上する訳では

ありません。そこで、仏教などの「行」を通してでなければ精神性の向上は望め

ないと考えて、「行」を実践する事にしたのです。最初は座禅を考えて、禅寺での

座禅修行を始めました。その後、友人の影響で、「超越瞑想」という、ビートルズ

のジョン・レノンが実践しているという瞑想に移っていきました。「超越瞑想」を

実践している団体が開いている合宿にも参加しました。その瞑想ではマントラと

いう、個々人に適した「音」(言葉)に意識を集中させて、自己の意識の深層に

入って行くという方法を取ります。その深層で出会った意識を感じることによって

精神性を高めていくというものです。そして、高い意識を得た人が、一個人では

なく集団になる事によって、集合意識を高めることによって、地域や社会の持つ

エネルギーを高めていく事を通して、地域や社会の質を高めていくという考え方を

しています。

この様に、自己及び多くの人の精神性を高めるという事に心を向けていました。